先日、ある店舗のブラケット照明の電球がLEDに替わっているのを見ました。
まずは画像をご覧ください。
こちらの照明は、電球が上向きに取り付けられている器具です。
白熱球や電球型蛍光灯の場合であれば、シェードの下部分が暗くならず、下方向にも光が広がります。
ただ、こちらは電球型LEDに交換されていたため、シェード上部分しか明るくならず、光の広がりも上方向のみです。
電球型LEDを導入し、失敗してしまった代表例です。
明るさ的にはそんなに暗く感じませんでしたので、シェードの影や光の広がりが気にならなければ、LED電球でもいいかと思います。
ただ、下方向への光により照度を確保する場合もありますので、注意が必要です。
プランインフィニットでは、LEDと蛍光灯を組み合わせたライティングプランを推奨しています。
それぞれの光の特性を活かし、コストパフォーマンスも良くするプランをご提案させていただきます。
LED電球、LED照明の導入で迷っている方、お気軽にご相談ください。
■小空間(トイレ)の照明シュミレーション
トイレなどの小空間の照明リフォームの場合、ちょっとした小物で完成後の明るさなどを体感する事ができます。
用意するものはつっぱり棒、タオル、照明器具(一般コンセントから電源をとれるもの。バータイプがベター)。正面の壁に突っ張り棒を2本取り付けます。1本は天井ギリギリにつけ照明器具を隠すタオルをかけます。もう1本には照明器具をくくりつけます。
もう1つのパターンは便器の後ろに間接照明を設置します。下からの照明手法は非現実的な印象をあたえ、店舗のトイレのような空間を演出する事ができます。また、照明の重心を下へ持ってくる事により、落ち着いた印象の空間になります。こちらは便器の後ろに照明器具を置いておくだけ。便器で隠れるくらいの大きさの照明器具がベター。
シュミレーションはこんな感じになります。
とてもイメージがつかみやすいと思います。
DIYでこれを完成形にする場合、スイッチに困ってしまうと思います。できればトイレのスイッチでON・OFFをしたい。そんな時は、既存照明から電源を分け、コンセントを作ればスイッチで電源のON・OFFができるコンセントができあがります。あまりこだわらなければ(露出配線OK、天井コンセントでOK等)比較的安価でできます。
こういったシュミレーションやDIYについてのご相談は随時受付中です。お気軽にお問い合わせください。
■ライティングシュミレーション:
→小空間照明リフォームプラン|ライティングシュミレーションvol.6
■部屋が明るく見えるプラン(明るさ感)
今回は、自宅のリビング(約8畳)で実際に照明を見直した例です。
現在は、引掛けローゼットに後付けできる、ライティングダクトに6台の照明を取り付けています。1台あたりが15Wの蛍光灯(60W相当)なので、合計90Wになります。一日平均の点灯時間が約8時間なので、一か月あたりの消費電力は約21.6kWhとなります。その場合の電気代は約454円になります。※概算消費電力の計算は記事の最後でご紹介しています。
●照明:15W蛍光灯照明・・・6台
●消費電力:約21.6kWh
●ランニングコスト:約454円
●見直しプラン
こちらの場合、スタンド2台に60W相当の電球型蛍光灯(15W)を取り付け配置しました。(スタンドはDIYでご紹介した手作りスタンド。イニシャルコストも節約になります。)
十分な明るさ感だと思いませんか?ただ、この場合だとリビングテーブルでの作業が暗く感じるので、下の画像のように変更しました。
こちらの場合は、スタンド2台に25W電球、テーブル用に6.4Wの電球型LEDを付けています。
元々の照明プランと比べ、見た目の明るさ感にさほど差が無い事がわかります。
W数合計が56.4W、一か月あたりの消費電力が約13.5kWhで、電気代は約284円。スタンドの電球を10Wの電球型蛍光灯(40W相当)に交換すれば、W数合計が26.4W、一か月あたり約6.3kWhの消費電力となり、電気代は約132円になります。
このプラン、蛍光灯やLEDを使用しているため、そんなに差が無いように思えますが、白熱球に換算すると、元々のプランは360W、見直しプランでは90Wとなり、実に1/4もW数を落としています。
■部屋の明るさは合計W数よりも見た目の明るさ感
部屋の真ん中にシーリング照明1台。日本では一般的な照明方法です。8〜10畳用のシーリング照明は一般的に蛍光灯100W前後。白熱球に換算すると360W程度になります。もちろん、これで十分なのですが、さらに効率のよい照明方法を、前回の照明配置と今回の実例でご紹介しました。
部屋の明るさ感を決める要素はいくつかありますが、ポイントの一つは壁の明るさです。壁に光を当てる事により、壁自体が照明としての効果を持ちます。ただ、鏡面仕上げのタイルなどでは効果が半減してしまうので要注意。
合計56.4W(26.4W)と元々の合計90Wが、ほぼ変わらない明るさ感を出しているのは、壁の明るさにポイントがあります。
良く見かけるのが、「部屋の広さが○○畳だから、照明は○○Wで大丈夫です。」という設計士さんやリフォーム営業マン。自分もその一人でした。
実際、概算で必要なW数を算出する場合、住宅では1畳30W、店舗・事務所等では蛍光灯80W(1坪あたり)を目安にしています。しかし、これはあくまでも目安。今回の例に当てはめると、必要なのは240W。でも90W相当で十分です。
実は建築士やインテリアコーディネーターの資格では、あまりこういった勉強をしません。照明士でも、照度計算などが主で、実際の明るさ感や雰囲気を演出する事は学びません。とはいえ、経験から適切な照明プランをできる人はたくさんいます。
照明のプランは、リフォームをする際の業者選びのポイントの一つになると思います。
●概算消費電力と電気料金(ランニングコスト)の計算
60Wの照明(電化製品)を1日平均5時間使用したとします。
60(W)x5(時間)x30(日)=9000Wh
単位をkWhにするため1000で割ります・・・9kWh
ランニングコストはこれに電気料金を掛けます。(今回は21円/kWhで計算しています)
9(kWh)x21(円)=189(円)ブラケット60W
興味がある方は、一度家庭の使用電力を計算してみましょう。節電のポイントがわかる事もあります。
■ライティングシュミレーション:
→小空間照明リフォームプラン|ライティングシュミレーションvol.6
DIYや既製品に手を加えて、自分スタイルのインテリアを演出してみませんか?第1回目は、空き缶を使ってテーブルスタンド照明を作ってみました。家庭や職場で出るごみを使って、インテリア雑貨を手作りしてみましょう!
■空き缶でテーブルスタンド
作り方はいたって簡単。まず、フルーツなどの缶詰のラベルを剥がします。その空き缶に釘やドリルで穴を空けていきましょう。これだけで、キャンドルスタンドが完成!今回は電気のテーブルスタンド照明なので、続きがあります。その前に、穴を空ける時のポイントをご紹介します。
●穴あけのポイント
穴の大きさは3パターンくらい。今回はドリルを使用して5mm、3.5mm、1.5mmの穴を空けました。 穴の大きさを変える事で、ワンパターンになりがちな穴の配置も気にならなくなります。
スタンドが倒れないように土台にするものが必要です。今回のスタンド照明では、直径約9cmの木を輪切りにした材料を使っています。この土台に電球を取り付けるためのソケットを取り付けます。東急ハンズなどでスイッチ付コードが取付済みの物が売っているので、誰でも手に入れる事ができます。
▼コード付レセップ(中間スイッチ付)▼
口金(電球を取り付ける所のサイズ)はE17を使用しました。後で電球型蛍光灯に変える事もできます。土台が出来上がったら、電球を通すための穴を缶の底に空けます。ここではφ35の金属用ホールソーで空けましたが、ホールソーは若干値段が高いので、缶切りで全体を空けてしまっても大丈夫です。穴を空けたら、土台に缶をかぶせます。スペーサーを利用し、土台と缶の間に隙間ができるようにビス止めをして、オリジナルテーブルスタンド照明の完成です。
缶の底全体を空けた場合は、不等辺のLアングルを利用し、管と土台に固定します。ここでもちょっとしたポイントがあります。
●缶をかぶせる時のポイント
缶と土台の間に隙間を空けるのは、電源コードを挟まないという理由もありますが、下に光を出す事が最大の理由です。こちらは試作段階。電球をクリアの白熱球にすると、穴の影がはっきり出ます。お好みに合わせて電球を選ぶと良いでしょう。
■光の配置による見え方の違い
●光源を移動して比較
今回のシュミレーションは、約3畳の階段室で行いました。
現在は階段を上がりきった所の真上に、60W電球2個のシーリング照明(計120W)が設置されています。ぱっと見の印象は少し暗い感じです。1畳あたり30Wの考え方だと、十分なワット数と思われますがなぜでしょうか。
●既存シーリング60W・ブラケット60W
既存のシーリングの電球を1個外し60Wとし、ブラケットを想定した位置に60Wの照明を1個増やします。合計のワット数には変化がありません。
どのような見え方になるでしょうか。
シュミレーション前の写真と比べてみると、同じワット数でも光源を分けたほうが明るく見えます。
シュミレーション前は、絵を飾ってある壁面にあまり光が当たっていないのに対し、シュミレーション後は、壁面にまんべんなく光が当たっているので、1箇所あたりのワット数が下がったにも関わらず、シュミレーション前よりも明るく見えます。
●ブラケット100W
次に、既存のシーリングを消灯し100Wのブラケットを想定した照明を、階段室の真ん中あたりに設置します。
合計のワット数は下がりましたが、光源の位置を変化させています。どのように見えるでしょうか。
合計のワット数は下がっていますが、絵の飾ってある壁面の方まで光が届いているため、シュミレーション前よりも明るく見えます。
写真を並べてみます。
▼シーリング60W・ブラケット60W▼
右がシュミレーション後の写真です。写真でわかりずらいかもしれませんが、右側の写真の方が、空間が明るく見えると思います。
実際に見ると、1個あたり40Wでも今よりも明るく見える事が予想できます。
▼ブラケット100W▼
今回のシュミレーションで、照明の位置で見え方が変わる事がわかります。また、意外と忘れがちな光の特性として、光源に近づくほど明るくなるという性質があります。冷静に考えればあたりまえですが、意外と忘れがち。光源を低く設定できるブラケットは、明るさの確保に意外と活躍します。
リフォームの時には、今回のようなシュミレーションをクリップライト等で行うと、よりイメージがつきやすいので、ぜひオススメします!
■ライティングシュミレーション:
→小空間照明リフォームプラン|ライティングシュミレーションvol.6
■光の方向による見え方の違い
●光を遮る事による比較
左の写真は真下への光を遮り、壁を中心に光を当てています。対して、右の写真は壁への光を遮っています。
光がどこに当たるかで、全体の明るさの印象が違う事がわかります。
照明だけでなく、壁紙や内装材の色でも印象が変わります。
●スポットタイプ蛍光灯の光の向きによる比較
照明器具
無印良品:蛍光灯型スポットライト15W(60W相当)x2台
それぞれのライトの向きを変え、光の当たる場所が、床面中心・壁面中心になるようにして比較しました。
▼左が床面中心のライティング、右が壁面中心です。
ぱっと見、右の壁面中心のライティングの方が明るく見えます。やはり、鉛直面を中心に光を当てると、空間が明るく見える事がわかります。
この方法を利用すると、全体照明の消費電力を控えても、空間全体の明るさは暗く見えないプランニングができます!
■ライティングシュミレーション:
→小空間照明リフォームプラン|ライティングシュミレーションvol.6
一般住宅では、新築・リフォームに限らず、予算等の理由でなかなかライティング(照明)にこだわった部屋をプランする事がありません。せいぜい、ありきたりな間接照明や棚下灯をプランする程度がほとんど。全体照明として、天井の真ん中にシーリングライトが必ず付きます。
予算の関係もそうですが、原因の一つとしてインテリアコーディネーターをはじめ、お客様も完成形をイメージする事が難しい、という事があるからだと思います。ライティングプランによっては、ありきたりな間取りやインテリアでも、落ち着く空間になったり、オシャレな空間になります。
ライティングや内装材の変更による見え方を、CGでシュミレーションしてみました。
■CGによるシュミレーション
内装材やライティングプランによって、どのように見え方が変わるか、CGでシュミレーションを行いました。
●内装材によるインテリアの見え方
濃い色の床材、明るい色の壁材での見え方です。シックで落ち着いたイメージです。
床材を明るい色に変えてみました。明るくさわやかなイメージになりました。
壁紙を少し濃いめの色に変えてみました。テクスチャが織物調で、アジアンな感じになりました。オシャレ感が出ていますが、全体的に少し暗めのイメージです。
●ライティングによる見え方
アジアン調の内装のまま、ライティングを変えてみました。壁際にダウンライトを配置し、リビングテーブルの上にはシーリングライトではなく、ペンダントライトを配置しています。
【照明設定】
ダウンライト:60W相当x7台
ペンダントライト:100W相当x1台
昼間の印象です。外からの光もある為、印象的にはシーリングライトとあまり変わりません。
シーリングライトで夜にした設定です。全体的に光が広がるので、明るさは十分です。
ライティングを変えると、明るい所と暗い所のコントラストができ、少しオシャレ感がでました。
壁紙を白い壁紙に変更しました。全体的に明るい印象です。照明の設定は変えていません。
同じインテリアアイテムでも、内装材やライティングによって、だいぶ見え方に差がつきます。また、全体の明るさの印象は、壁の明るさで左右される事が今回のシュミレーションからわかります。
リフォームの際は、ぜひライティングプランも含めてご検討されてはいかがでしょうか。照明のプラン一つで落ちつた空間やオシャレな空間をコーディネートする事ができます。
※こちらの記事は、LED電球が現在ほど普及していない時期の記事になります
LEDの電球交換タイプが徐々に普及してきています。そのコストパフォーマンスや、実際の明るさはどうなのでしょう。
仕事柄、よくお客様に聞かれますが、LED照明を使う事はあっても、電球だけLEDに交換という事が無いので、実際に白熱球とどのような違いが出るかを比較してみました。
■対象商品データ
白熱球: Panasonic クリア電球 40W 全光束490lm
LED電球: TOSHIBA E-CORE 6.4W 全光束330lm
■白熱球とLED電球との違い
実際に同じ器具に取り付けてその違いを見てみました。
写真は同じペンダント照明に電球を変えてみたところです。左が白熱球、右がLEDです。
ここではペンダント本体、天井に注目してください。
白熱球のほうはペンダント照明の影が天井にくっきり出ているのに対し、LEDは柔らかい光になっています。また、ペンダント本体はLEDよりも白熱球の方が光って見えます。
白熱球は全方向に光を放つので、天井に影ができペンダント本体も明るくなります。一方のLEDは光の向きが限られ、ペンダント全体には光が当たらず、天井にあたる光はペンダント照明の傘や床に反射した光なので柔らかい光になります。
次に全体的な印象です。
左の白熱球のほうが、色が鮮やかに見えます。やはり演色性は白熱球に軍配があがりました。メーカーによっては、演色性の高い商品も販売されているようです。
全体的な明るさは、「若干LEDが暗いかな」といった感じですが、そこまでは気になりません。ただ、60W相当の明るさと理解していると、とても暗く感じます。
LEDを選ぶときはこのギャップに注意が必要です。
照明の真下の画像です。
テーブルの影に注目してください。
左の白熱球よりも、右のLEDのほうが影が強く出ています。真下の明るさはLEDのほうが明るいと考えられます。写真ではわかりにくいですが、実際に真下はLEDのほうが明くなっていました。
LEDの指向性の強さをよく表した例といえます。
裸電球の状態での比較です。
電球本体と天井の影に注目です。
左の白熱球は電球本体の光に対して、天井の影がくっきりとでています。対する右のLEDは電球本体のまぶしい光に対して、天井の影は柔らかく出ています。
こちらもLEDの特性である指向性の強さ、輝度の強さを表しています。影の違いは、直接の光か、間接的な光かの違いになります。間接的な光のほうが、影は柔らかくなります。
電球の見た目の光は輝度の違い。輝度が強いとまぶしくなります。
■電球選びのポイント
・ルーメン数
一般的には60Wの白熱球で約800lmです。トイレなどに設置する場合はこの数値を目安にすれば、失敗は少ないと考えられます。ただし、電球が真下を向いて取り付けられている場合に限ります。
・LEDの特性
LEDの特性である指向性の強さに注意する必要があります。現在販売されているLED電球ですが、メーカーなどにより光の広がり方が違う為、配光曲線などを参考にすると良いでしょう。
また、現在の電球が斜めや横に取り付けられていたり、照明器具の反射板に光を当てて明るさを稼いでいる場合も注意が必要です。うまく反射板に光が当たらないと、「暗い」と感じてしまう事もあります。
次世代に向け、現在の白熱球は蛍光灯とLEDに移り変わっていきます。ただ、まだまだLEDは初期費用がかかり、その光の特性から全体照明には不向きとされています。
現在安い値段で販売されているLED電球は、ほとんどが40Wクラスの明るさ。60W相当と書かれている物も、真下の明るさに対する記述。全体の明るさが60Wクラスになると、一気に倍以上の値段に上がります。
中にはLEDにこだわる人もいますが、照明計画に失敗しない為には、うまく蛍光灯とLEDを組み合わせて考えたほうが、コストパフォーマンスにも優れ、良い照明プランができると思います。
※2023年現在、LED電球も高演色や全方向タイプが販売されており、白熱球に近い光を得られるようになっています。
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