この度の東北関東大震災(2011年3月11日)に被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
福島原発の被災により電力が不足し、各メディアなどで節電の話題が取り上げられています。実際、どの程度の節電をすればいいのでしょうか。ただ節電といっても正直な所、具体的な事は良くわからないと思います。
以前にご紹介した照明のプランを元に、照明のプラン見なおしなどでどのくらい節電ができるか、どの程度の節電を心掛ければ良いか考えてみました。
※ご紹介している消費電力などは状況により異なる為、目安としてお考えください。
■照明プランによる節電
2011年、今年の夏の電力需給ギャップ(電力需要と供給の差)は、1日約1,000万kWhの不足と予想されているそうです。
ライティングシュミレーションでご紹介した照明プランで節電した場合、1日あたり約0.3kWhの節電。ご紹介した以外にもキッチンなどのプランニングを見なおした場合、約0.5kwhの節電が見込めます。
東京都の総世帯数が約627万世帯、23区で約444万世帯、杉並区では約29万世帯が暮らしています。
照明プランで節電した電力量をそれぞれに当てはめると・・・
東京都:約313万kWh
23区:約222万kWh
杉並区:約14万kWh
照明プランを見直すだけで、だいぶ節電できるようです。
ただ、現在は蛍光灯照明が主流になっている事に加え、LEDの需要も増えている事から、なかなか計算通りにはいかないと思います。
しかし、1日に0.5kWhの節電でも、皆が意識して実行すれば、かなりの節電になる事がわかります。
■意外と簡単、ちょっとした節電
0.5kWhを照明以外で考えてみると、以外にも簡単に節電できます。
使用していない電気機器のコンセントを抜くことや、一部屋に集まっての生活などは、一般的に言われている節電方法です。
実際、これらを行うのと行わないのとでは全然違います。ただ正直な話「面倒くさい」「長続きしない」などといった事も少なくないと思います。
そこで、意外と簡単にできる節電方法を考えてみました。
●エアコンの場合
最新の省エネエアコンでも1時間ほどエアコンを使わない時間を増やすだけで、約0.5kWhの節電になります。
●炊飯器の場合
保温をしないよう、食べる分だけ炊けば、1日約0.3kWhの節電になります(※夜炊いたご飯を朝まで保温した場合との比較)。他にも、ガスコンロでお米を炊ける「炊飯鍋」を利用すれば、これだけで約0.5kWhの節電ができます。
●ドライヤーの場合
ドライヤーをかけるとき、タオルを乗せると乾きが早くなります。ドライヤーの消費電力は1,200W程度。15分かけて乾かしていたのが10分になれば、1回あたり約0.1kWhの節電になります。
●白熱灯から蛍光灯、LEDへ電球交換
白熱球を蛍光灯へ変えると消費電力は約1/4になります。トイレ、洗面所の60Wの白熱灯を蛍光灯に変えた場合、消費電力は15Wになります。各部屋の1日の使用時間を合計2.5時間(一般的な平均使用時間)とすると、約0.1kWhの節電になります。LEDの場合はさらに約30%ほど消費電力が減ります。
節電といっても、『節約生活』並みのことはしなくても良いと思います。気合いを入れた節電をしようとすると、なかなかできないものです。
気軽に考え、少しの節電を一人一人が行っていけば、それがとても大きな結果となります。
節電のポイントは、「使用電力の大きい機器」は使用時間を減らす、「使用時間の長い機器」は消費電力の少ない機器へ交換する、というようにあまり無理をせずにできる事を、長く続ける事だと思います。
被災地の1日でも早い復興を願って。