先日、知り合いの紹介で家具や服飾のアーティストの展示会に行ってきました。
温故翔新と名付けられた展示会。興味深いのは、その会場になった建物です。
山梨県の甲府駅から車で約20分。築150年、書院造りの古民家をコンバージョンし期間限定ギャラリーとして使用していました。
各アーティストが制作した家具、スタンドやガラス細工のインテリア雑貨、柿渋で染められたファブリックなどが展示販売されていました。
かつては各界の著名人も立ち寄ったとされるこの建物。今はもう使われていないのですが、もう一度日の目を見ようと企画された展示会。
こういった事は我々リフォーム業界の人間にとっても、とても興味深い事です。
こういった建物の使い方はコンバージョンと呼ばれています。
よく住宅リフォームで耳にするリノベーションが、間取り変更や設備機器などを新しくし資産価値を高める意味合いが強いリフォーム。
今回のようなコンバージョンは「住宅~事務所」などのように、その使用用途の変更を目的とした意味合いが強いリフォーム。
同じ住宅リフォームでも、その建物を使う人にとって内容が変わる。今回見学した展示会はとても刺激になりました。
書院造りの内装に、それぞれのアーティストの作品が飾られています。
家具をはじめとし、スタンドやガラス細工のインテリア雑貨、柿渋で染められたファブリック、それぞれがとてもセンス良くディスプレイされています。
今ではあまり見ない1間の床の間。廊下から眺める庭。装飾の施された欄間。幼少のころ田舎のおじいちゃんの家で見たことのある風景が、とても新鮮に感じます。
昔ながらの日本家屋は、廊下を挟んで部屋があります。個人的にとても好きな造りです。
縁側に座ってひなたぼっこ。そんなのんびりした暮らしにあこがれます。
最近はこういった造りは少ないですが、サンルームが欲しいというお客様や、タイルや畳の床でも窓際は板間にするお客様が割と多いように感じます。
たぶん日本人の感性に合った造りなんですね。
この建物がギャラリーとして使われるのは、今回限定とのこと。
なんだかもったいない気もしますが、本格的にコンバージョンするとなると、改修しなければならない所や防犯など様々な課題が出てくるのでしょう。
オーナー様の「趣味の一環として」的な感じでいるのが、良いのかもしれないですね。